特殊な光回復酵素をもつアメリカンオポッサム(フクロネズミ)では、UV-B照射後すぐにUV-Aを照射しシンクロブタン型2量体を効率よく修復すると日焼けを生じますが、色素沈着においてもUV-AとUV-Bとの間には差が認められます。例えば、UV-Bでは遅発型黒化(delayed tanning,DT)が生じ、UV-Aでは即時黒化(immediate pigment darkening,IPD)が生じます。UV-AやUV-B照射で色素沈着の増加が生じる機構は色素細胞の数が増えると同時に色素細胞でのメラニン生成と酸化さらには基底細胞や角化細胞内のメラノソーム分布の変化が促進されると考えられていますが、その詳細な機構はまだ明らかではありません。UV-B照射で損傷を受けたDNAの損傷箇所は除去・修復されますが、この機能は大腸菌からヒトまでみられます。大腸菌と比較して、ヒトの染色体構造が複雑であるので修復機構の解明が遅れています。 除去・修復機構は①傷の認識、②傷の一方の端に酵素が切れ目を入れる、③他の一方で切れ目を入れ、約30個の塩基を切り出す、④DNAの修復合成、⑤連結の5段階から構成されています。 最近、DNAの修復に関係する遺伝子が明らかになってきているので、詳細な修復の分子機構が生化学的に今後解明されることでしょう。UV-A照射の場合にも、基本的にはUV-B照射と同様な修復の分子機構が機能すると考えられています。DNAの傷が100%正しく修復されるとUV照射による発癌はないですが、間違って修復されると突然変異や発癌に連動しやすくなります。 紫外線(UV)曝露による生体内の蛋白質、脂質、核酸などの光酸化反応と交換化防止能とのバランスが崩れると皮膚は光酸化損害を受けます。この光酸化反応には高い反応性を持つ活性酸素が関係しています。活性酸素としてはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重功酸素などが含まれ、紫外線(UV)曝露の状態によってはDNA損害や発癌作用を引き起こします。特に、UV-B照射によって産生されるヒドロキシラジカルによりDNAは切断されやすいのです。また、330nmより長波長のUV-AによるDNA1本鎖切断はカタラーゼの存在で顕著に抑制されるので、過酸化水素除去は重要です。
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