昆虫が訪れるほとんどの花には紫外線(UV)反射吸収のパターンがあります。ヒトの眼にはマツヨイグサ(アカバナ科マツヨイグサ属)やキクイモ(キク科ヒマワリ属)の花は一様に黄色に見えますが、蜜を蓄える花の中心部の周囲には紫外線(UV)を反射しない独特のパターンがあり、それが蜜標識(nectar-guide)の役割をしています。この紫外線(UV)反射のパターンは小型の花よりも大型の花に、また風媒花や鳥媒花よりも虫媒花により一般的です。南アジア原産で1978年に日本で発生が確認されたミナミキイロアザミウマは白色系と青色系の色調に誘引されますが、同じ色調でも誘引力に差があります。虫を強く誘引する色材の分光反射スペクトルを分析したところ、UVの反射率の極度に低いものであり、この成績を基に青色の粘着リボン(青竜R)が実用化され、この結果はタマネギバエの研究にも活用され、同様の結果を得ました。 タマネギの害虫タマネギバエはタマネギ、ネギ、ラッキョウなどのネギ属植物の苗のまわりの浅い土の中に産卵し、孵化した幼虫が苗を食害します。このハエがネギ属植物を選択する仕組みとしてネギ属植物から放散されるC3H7S基を含む揮発性有機硫黄化合物が雌を誘引し産卵を刺激すること、また幼虫もこれらの化合物に誘引されることなどが明らかにされていますが、この研究の発展の一過程で、タマネギバエが好む色は、紫外線(UV)反射が低く、ヒトの可視部に当たる波長域の反射率が高い色であることがつきとめられました。日本でのこの研究の前後に、カナダと米国でもタマネギバエの好む色を捜し求めていて、互いに黄色あるいは青色という異なる結果を得ていましたが、その食い違いは反射材料の紫外線(UV)反射率の相違にあったのではないかとなった。アザミウマやタマネギバエの色覚反応の生態上の意義については、直接証明はされていませんが、野外の花への吸蜜訪花と関連があるとみてよいのではないでしょうか。 紫外線(UV)パターンを昆虫の誘惑に利用しているのは花ばかりではありません。多くのクモは自分の巣の糸に縞や十字状の紫外線(UV)反射パターンの装飾をして昆虫を誘惑します。薄暗いところに張られた巣では明るいところの巣よりも多くの装飾がついていますし、中には自己の体背面に紫外線(UV)反射パターンをもつ昆虫を誘うクモもいます。
Copyright(C) 2006-2007 UVカット紫外線ケア対策 Allrights reserved.