紫外線UV日焼け予防対策サイト~真夏の大敵-紫外線・UVからあなたの肌を守るには!

紫外線・UV対策、していますか?

地球上の生命に恵みをもたらす太陽の光・・しかし、その中には、浴び過ぎると人体に悪影響を及ぼす紫外線UV)も含まれています。
骨の発育を助けてくれる紫外線UV)ですが、最近ではその害についての関心も高まりつつあります。『 UVカット紫外線ケア対策 』では、紫外線から受ける影響とその予防対策について、実際に効果のあるスキンケアグッズの紹介をしています。

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UV紫外線の影響


UVの水面で生活するアメンボへの影響

紫外線UV)の昆虫自体への直接的影響は、陸生の昆虫と異なりアメンボのような海面生活者では状況が厳しいです。淡水や海岸近くの水面に生活するアメンボは、日照の強いときは物陰に隠れて紫外線UV)から身を守れますが、そうしたことができない海洋産アメンボは、自衛のための適応形質が発達しています。皮膚のクチクルの紫外線UV)吸収スペクトルは質的には三者とも似ていますが、海洋産アメンボのクチクルのUVB280nmの透過率は汽水・淡水産のものの1/2000から1/250000に過ぎず、これはおそらくチロシン、トリプトファン、フェニルアラニンなど芳香族アミノ酸の高含量によるためと考えられています。


光反射シートマルチ

果樹そのほかの作物の下に光反射シートを敷くこと(マルチング)によって、作物上の害虫密度を低減させられることがトウガンやキュウリ、イチジク、ミカンなどのアザミウマ類、またミカンのコアオハナムグリ(小青花潜虫)で知られています。そしてこれらは昆虫が本来、天空からの光を背に受けて歩行飛翔する光背反応が、光反射シートによる地上からの強い光反射のため撹乱される結果と考えられるのであって、紫外線UV)の360~380nmの反射率が高いほど防除効果が高いという報告もありますが、昆虫の行動のどの段階に働くかは明確ではないようです。


UV除去フィルム

作物の光合成には紫外線UV)はむしろ有害であることから、UVCフィルムが開発され、ハウス栽培に用いられていますが、そのハウス内では野菜のウドン粉病や灰色かび病の胞子形成が抑えられ、病害を防除できます。また、害虫ではピーマン、キュウリ、トマトなどのハウス栽培でアブラムシ、アザミウマ、オンシツコナジラミなど、また最近ではハウス栽培のエンドウでナモグリバエ(菜潜蠅)の生息密度が低下し、昆虫媒介のウイルス病の発生を抑えることが知られ、イスラエルからもタバココナジラミやハナアザミウマで同様の結果が報告されています。これはUVのない環境下でこれらの害虫の行動が抑制・撹乱されるためと考えられます。イチゴの受粉にミツバチがハウス内に導入されていますが、UVCフィルム使用のハウス内では、うまく飛行することができません。しかし、近年1991年末よりヨーロッパから導入されているセイヨウマルハナバチは影響を受けずに受粉活動をするといいます。


UVと農業・衛生害虫―青色蛍光ランプ・ブラックライト蛍光ランプ

紫外線UV)への敏感な反応性、正の走光性は夜行性の昆虫で著しく、イネの害虫ニカメイガ(二化瞑蛾)でも顕著です。戦前(1927年)から戦中にかけて東大農学部動物学教室では農林省からの委託研究により、ニカメイガが近紫外放射の330~400nmの波長域に最もよく誘引されることを明らかにし、東芝マツダ支社の手により、この波長域の光放射を効率良く放射する青色蛍光ランプが開発されました。戦時中であったために、この青色蛍光ランプは戦後になり昭和22年ごろから5haあたり1灯の割合で全国的に使われ始め、昭和23年(1948年)には34万haの水田に普及したとみられています。しかし、昭和26年にニカメイガの特効薬浸透性有機リン剤パラチオンが登場し、昭和28年から全国的な使用がはじまるとともに、青色蛍光ランプは急速に姿を消すことになりました。このように電灯による害虫の防除がこれほど大規模に実施された例は世界にその類をみません。
青色蛍光ランプに代わり、ブラックライト蛍光ランプを光源とした補虫器や電撃殺虫器が野球・テニス・ゴルフなど夜間の野外スポーツ施設などに設置され、プレイの妨害昆虫の駆除に使用されたり、庭園の池の上に設けて飛来落下した昆虫を鯉などの観賞魚の餌に供する目的に使用されたりしています。しかし、夜間野外スポーツ施設などで、不必要に昆虫を大量に殺戮している例もあちこちでみられます。近年世界の160以上の国々が賛同する地球の生物の多様性を尊重するのであれば、これらの設置や使用に際しては十分な配慮が必要になるでしょう。なお、電撃殺虫器の誘引光源に用いる紫外線UV)ランプを通常の交流のものと、直流のものとで、イエバエの誘引数を比較したところ、ハエは圧倒的に交流ランプのほうに誘引されたといいます。交流では電源周波数の2倍のサイクルで常にUVが定期的にフリッカーしますが、蚊、ハエ、トンボなど特に飛行速度の速い昆虫では、運動する物体を識別する運動視を可能にする時間的分解能は高いです。この分解能のために許容されるちらつきの限界(CFF=Critical fusion frequency)はヒトでせいぜい30~40Hzなのに対し、ハエでは140Hz(ハチ200~300Hz、トンボ170Hz)ときわめて高いことが考えると、ハエは交流による紫外線UV)のちらつきを定位のための信号の構成一因子として受け取っていると考えられます。


地球環境の変化と昆虫

オゾン層の破壊による地表の紫外線UV)量の増加から癌の誘発、そのほか生物への影響が論議されていますが、昆虫ではどうでしょうか。植物へのUV-B照射は、それを食べる昆虫の摂取量を減らし、成長速度を低下させ、生存率を下げることなどが、数種の昆虫で知られていて、その原因には植物中の光毒性のフラノクマリン類の増加や糖類の減少などがあげられています。ミカン科やセリ科に分布するフラノクマリン類は昆虫に対して摂食を阻害したり、毒性を示し、その一つキサントトキシンはヨトウムシ(夜盗虫)の一種Spodoptera eridania に対して強い摂食阻害作用を示しますし、またソラレンとベルガプテンを蛾の1種タマナギンウワバの幼虫に同時に与えた実験では強い毒性を発揮し、幼虫を成育途次で死亡させています。しかし、ベルガプテン単独では促成は低いのです。フラノクマリン類は前駆物質のウムベリフェロンから生合成され、特にUVの照射下でその量が増加し、UVの照射下で毒性を発揮します。また、アブラナ科の葉を専門に食べるモンシロチョウ幼虫に48時間UV照射した葉を食べさせたところ、その摂食量は対照区に比べ約40%以上も少なかったのです。また体重も齢の進んだ幼虫では対象区よりも約40%も軽かったのですが、若齢幼虫では差がありませんでした。モンシロチョウ幼虫の摂食量の減少理由として、UV-B照射により、葉中のフラボノイドが増加し、これが摂食阻害因子となっているといいます。しかし、同じアブラナ科を食べるタマナギンウワバでは影響は顕著ではなく、タマナギンウワバがモンシロチョウと異なり、広範囲の植物を食べ、フラボノイドへの耐性が強いのではないかと推論されています。
摘み取ったクワの葉にUVを0.2~0.6mW・cm-2、1~30分間ずつ照射して、カイコに与えると、いずれの場合でもカイコの摂食量は約22%減り、0.4mW・cm-2以上1分間の照射ではカイコの体重が減少します。この摂取量の低下はクワ葉中のショ糖含量の低下によるもので、0.5mW・cm-2を30分間の照射により、糖類は約49%も減少し、特にショ糖含量の低下が大きく、ショ糖含量の低下はカイコの口器にある味覚感覚子の反応を大きく低下させることが電気生理学的に証明されています。この味覚反応の低下がカイコの摂食行動を妨げているとしています。またクワではUV照射により、苦味物質は合成されないといいます。また、UV-Bを照射したカラシナ(芥子菜)にミツバチを放ち、ミツバチの訪花採蜜行動を調べたところ、訪花の総活動時間、訪花数、1花あたりの訪問時間・探索時間・花粉の採取量など、いずれもとくに範かはなかったという観察もあります。


昆虫の訪花と花・クモのUV反射

昆虫が訪れるほとんどの花には紫外線UV)反射吸収のパターンがあります。ヒトの眼にはマツヨイグサ(アカバナ科マツヨイグサ属)やキクイモ(キク科ヒマワリ属)の花は一様に黄色に見えますが、蜜を蓄える花の中心部の周囲には紫外線UV)を反射しない独特のパターンがあり、それが蜜標識(nectar-guide)の役割をしています。この紫外線UV)反射のパターンは小型の花よりも大型の花に、また風媒花や鳥媒花よりも虫媒花により一般的です。南アジア原産で1978年に日本で発生が確認されたミナミキイロアザミウマは白色系と青色系の色調に誘引されますが、同じ色調でも誘引力に差があります。虫を強く誘引する色材の分光反射スペクトルを分析したところ、UVの反射率の極度に低いものであり、この成績を基に青色の粘着リボン(青竜R)が実用化され、この結果はタマネギバエの研究にも活用され、同様の結果を得ました。
タマネギの害虫タマネギバエはタマネギ、ネギ、ラッキョウなどのネギ属植物の苗のまわりの浅い土の中に産卵し、孵化した幼虫が苗を食害します。このハエがネギ属植物を選択する仕組みとしてネギ属植物から放散されるC3H7S基を含む揮発性有機硫黄化合物が雌を誘引し産卵を刺激すること、また幼虫もこれらの化合物に誘引されることなどが明らかにされていますが、この研究の発展の一過程で、タマネギバエが好む色は、紫外線UV)反射が低く、ヒトの可視部に当たる波長域の反射率が高い色であることがつきとめられました。日本でのこの研究の前後に、カナダと米国でもタマネギバエの好む色を捜し求めていて、互いに黄色あるいは青色という異なる結果を得ていましたが、その食い違いは反射材料の紫外線UV)反射率の相違にあったのではないかとなった。アザミウマやタマネギバエの色覚反応の生態上の意義については、直接証明はされていませんが、野外の花への吸蜜訪花と関連があるとみてよいのではないでしょうか。
紫外線UV)パターンを昆虫の誘惑に利用しているのは花ばかりではありません。多くのクモは自分の巣の糸に縞や十字状の紫外線UV)反射パターンの装飾をして昆虫を誘惑します。薄暗いところに張られた巣では明るいところの巣よりも多くの装飾がついていますし、中には自己の体背面に紫外線UV)反射パターンをもつ昆虫を誘うクモもいます。


昆虫のUV反射と配偶行動・種の隔離

昆虫が紫外線UV)をみることができることは、紫外線UV)をみることが不可能なヒトの興味を一段と引くわけですが、「蝶々蝶々、菜の花に止まれ」のモンシロチョウ(紋白蝶)をはじめ、シロチョウ属の蝶は翅の紫外線UV)反射を配偶行動に巧みに利用しているのです。これらの蝶はヒトが手元にとってみれば、雌は雄に比べ、黒色の斑紋部がやや大きく、多少黒っぽくみえるものの、遠くからは雄も雌も一様に白くみえ、雌雄の区別は難しいですが、蝶の眼には全く違ってみえるのです。雌の翅の鱗片は紫外線UV)をよく反射するのに、雄の翅では逆に紫外線UV)を吸収するのです。そこで、通常幼虫の食草となるキャベツなどのアブラナ科植物に静止している雌を捜し求めて交尾する雄の眼には、雌は明るくみえ、配偶者をみつけるのに大変好都合なことになります。
蝶の翅の紫外線UV)反射吸収のパターンの仕組みにはさまざまな方式があり、モンシロチョウが属するシロチョウ属の雌では鱗片の複雑な微細構造からの光放射の散乱によるとされますが、雄の翅がUVを強く吸収するのは、鱗片中のプテリン色素類によると考えられています。シロチョウ属の翅には、ロイコプテリン、キサントプテリンなどのプテリン類が含まれますが、モンシロチョウの雄には多量のロイコプテリンが存在するのに、雌にはほとんどありません。ちなみにプリテン類はUVをよく吸収します。また、プリテン類はプリンのような窒素化合物からの代謝物質ですが、雌では卵巣の発育に多量の窒素化合物を必要とするために、雌の翅には蓄積されないと理解してよいでしょう。ヤマキチョウやツマキチョウなどでは、鱗片の多重薄層フィルムによる光放射の干渉作用により、紫外線UV)を反射しています。
ニュージーランドのLycaena属の3種のシジミチョウの翅は前翅後翅の表面も裏面も雄雌の違いはヒトの眼ではほとんとわからず、UV下ではじめて識別ができます。L.salustius の雄の翅では前翅後翅ともに広い紫外線UV)反射部がありますが、雌ではそれが極めて小さく翅の縁近くにスポット状にあるに過ぎません。ほかの2種L.rauparaha とL.feredayi の翅では雄雌ともに紫外線UV)を吸収します。雄雌間で紫外線UV)2色型のL.salustius と紫外線UV)吸収型のrauparaha あるいはL.feredayi とは同一地域に分布する同所性を示しますが、吸収型の2種はそれぞれ別の地域に分布するといいます。この場合では紫外線UV)の反射・吸収が配偶者行動や同所性の種の隔離に役立っていると考えられ、このような関係は米国のモンキチョウのColias eurytheme とC.philodice との間でもみられるといいます。また、翅のはばたきにより生じる紫外線UV)パターンのフリッカーが、おそらく反射光に含まれる偏光とも組み合わせれて昆虫の眼に強い刺激を与えていると考えられています。一般に蝶の翅、体に含まれる多量のフラボノイドは有害なUVから身を保護していると解されています。


昆虫のUV感受と色覚

昆虫が紫外線UV)の反応して行動することは英国のラボック(John Lubbock)卿のアリを使っての実験により、1876年に発見されました。アリは自分たちの幼虫や蛹を常に光放射の当たらない暗所に保護し、仮に光放射が当たれば幼虫や蛹を速やかに暗所に運びます。この事実を利用して、ラボックはプリズムで分けた各スペクトルへのアリの反応を調べていましたが、紫や青の色帯に蛹をおくと、アリは蛹を赤の色帯に運びます。ところが紫の式帯を越えた“暗い所”に蛹をおくと、アリは真っ先に蛹を持ち去るのです。その場所に蛍光物質をおくことで紫外線UV)の存在を確認し、紫外線UV)をフィルターで除去するとアリのこの反応は消えます。こうして昆虫のUV認識は発見されたのですが、その後のフリッシュ(K.von Frisch)のミツバチを使った学習実験をはじめとする多くの研究、特に近年は電気生理学的手法の進歩から現在では、昆虫では一般に可視波長域がヒトの可視波長域より約100nm短波長側に偏り、赤みをみることはできない代わりに、紫外線UV)を見ることができると一応要約されたのです。
昆虫のおもな光放射の受容器官は複眼と単眼で、紫外線UV)も複眼と単眼により受容されます。例えば、ミツバチでは可視波長域は300~650nmの範囲にあって、複眼を構成する個眼の視細胞に微小電極を刺入して得た細胞内記録からUV、青、緑の3種類の視細胞が認められる一方、行動実験から紫外線UV)(300~400nm)、青(400~480nm)、青緑色(480~500nm)、黄色(500~650nm)を識別することが明らかにされています。このようにミツバチやマルハナバチでは3原色型色覚ですが、ナミアゲハ(並揚羽蝶)(別名アゲハチョウ)では、赤にも感じ、合計5種類の色受容細胞(UV、紫、青、緑、赤)(5原色)の存在が認められ、昆虫の中では例外的なこととされています。しかし、ある種のハエはUVを識別しても青と黄を区別できなかったり、また、別の昆虫は単に黒と白の区別しかできないといいます。
昆虫の複眼はその部域によって各色に対する受容細胞の分布すなわち感受性が異なります。ミツバチやトンボでは紫外線UV)や青の受容細胞は複眼の側面よりも天空を見ている背面に多く分布します。天空の青空は紫外線UV)や青に富んでいて、この背面のUV高感受性は昆虫のナビゲーションに重要であると考えられています。複眼の腹側には緑受容細胞があり、地上の緑植物をみていることになりますが、ナミアゲハや蛾の一種では背面のほかに、腹側にも紫外線UV)受容細胞が分布し、それは花の蜜標識の検索に役立つと考えられています。チャバネゴキブリ(ゴキブリの小型種)ではUVと青緑色の受容器が存在し、明期にUV、青緑色、白色光のそれぞれで照射すると、UVを照射したときが暗期の歩行活動が最も活発で、青緑色がこれに次ぐといいます。このことから、紫外線UV)は昆虫の概日リズムにも関係することがわかります。概日リズムでは脳そのものが光放射を感じることが明らかにされていますので、UVが脳そのものに受容されている可能性もあります。一般に昆虫はヒトと異なり、紫外線UV)を認識でき、紫外線UV)をいろいろな行動・生活に利用しているというのが今日の定説です。


陸棲動物の生態に及ぼす影響2

紫外線UV)は陸棲動物において、分子、細胞、器官、固体、群の各レベルでいろいろの影響を及ぼします。これらの影響を的確に把握するためにはUV-BとUV-Aの物理量の定量だけでなく、生物反応の量と質の評価方法を確立することが重要です。特に、紫外線UV)放射量の増加率と癌の増加率との関係を推定するのに有害反応発生率の波長依存性を解明することが必要になります。現在発癌リスクの算定には
①ヒトの紅斑スペクトル、
②大腸菌遺伝子の変異の作用スペクトル、
③ヘアレスマウスの発癌実験の作用スペクトル、
用いられています。しかし、生物反応にはUVに敏感に反応する多くの形質がまだ存在するので、各形質に特有な紫外線UV)照射の指標を確立することが必要です。


陸棲動物の生態に及ぼす影響1

成層圏オゾンの減少によって、紫外線UV)の影響は陸生植物だけでなくほかの動物や植物の生理・生体に及びます。特に、植物のクロロフィル合成や光合成能がUV-B照射に影響され、成長阻害が生じます。UV-Bの影響は植物の種類によって異なりますが、UV-C量の増加によって自然界における植物の生態系がはじめに影響を受け、次に食物連鎖の点から考慮しても、野生動物を含む陸棲動物の生態系が影響を受けることは容易に想像できます。さらに、ノルウェーなどの北ヨーロッパ諸国では皮膚癌の発生が急激に増加していることが認められていますが、この事実は人間の生活生態が紫外線UV)によって影響を受けたことを示す具体的な例です。しかし、動物界の生態系には多くの要因が複雑に関係しているので、紫外線UV)の単独効果を推定することは非常に困難ですが、陸棲動物の生態系に関する研究の継続が強く望まれます。


UVと免疫機能―UVと感染症

自己免疫疾患、癌、感染症などの疾患には紫外線UV)照射による免疫低下が関係するといわれています。特に、熱帯に多い感染症においては紫外線UV)の影響を直接受けるので、低栄養や不良な衛生環境などとともに紫外線UV)は重要な要因となっています。感染症には、寄生虫、結核、エイズ、単純ヘルペス、癌ウイルスなどが属し、UVの効果は感染症の種類によって異なります。例えば、免疫不全状態が促進されると報告されています。


UVと免疫機能―UVと角化細胞の機能

大量のUV-Bを皮膚が受けると皮膚から多くの可溶性物質が生成・分泌されます。可溶性物質にはIL-1,IL-10,c-UCA,TNF-α,PGE2などが考えられていますが、これらの物質はまとめてサイトカインと呼ばれています。サイトカインはT細胞、マクロファージ、腺維芽細胞、上皮性細胞などから分泌されます。特に、表皮の角化細胞はUVの透過を直接受け、結果的には十数種のサイトカインを産生するので、免疫学的に重要です。UV照射された角化細胞はIL-1を自ら利用できるようになり、IL-6やIL-8などほかのサイトカイン産生を促進します。さらに、角化細胞のIL-1の産生はグルココルチコイドやプロスタグランジンE2の促成作用を受けます。最近、UV-Aによって培養ヒト角化細胞のIL-10のmRNA発現とIL-10蛋白質合成が促進されることが明らかになり、アトピー性皮膚炎の治療との関係が検討されています。


UVと免疫機能

紫外線UV)は生体の免疫システムの機能低下をもたらすといわれています。紫外線UV)の影響に関しては紫外線UV)の線量が皮膚癌を引き起こす線量よりもはるかに低いレベルで作用し、その影響が照射した局部分のみにとどまらず、全身に及ぶ特性をもっています。また、免疫システムにはランゲルハンス細胞、角化細胞、ナチュラルキラー細胞などの多くの細胞や体液性免疫、接触アレルギーなどのほかの要因が複雑に関与していますが、紫外線UV)は各要因にいろいろの影響を与えています。さらに、免疫システムに関係する寄生虫、結核、エイズ、単純ヘルペス、癌ウイルスなどの感染症の発現にもUVは関係しています。


UVと眼の機能―UVと白内障

水晶体が混濁しているため網膜細胞への外界の光刺激が良く伝達されず、視覚が低下することを白内障といっています。この白内障の詳細な発現機構や水晶体蛋白質・クリスタリンの変性や結晶構造の変化のしくみは解明されていませんが、加齢による透明度の低下のうえにほかの要因が重なって病的混濁が生じると考えられています。ほかの要因のうちで、紫外線UV)は最近注目されていて、UV-Bが白内障の誘発、UV-Aが白内障発現に促進的に作用すると報告されています。白内障の発生割合は気象条件、おもに日射量の異なる地域環境の影響を受け、特に皮質白内障と核白内障に関して、地域間に有意な差が認められたことから、地域特性を考慮に入れたUV対策と眼の保護対策が必要です。
紫外線UV)に対しては抵抗性を得ることは難しいので、日常生活の中で適当な防衛策をとることが重要です。戸外での紫外線UV)被爆に対しては、メガネを用いたり、ツバ付き帽子をかぶることによりかなりの紫外線UV)が除去できます。特に、多層コーティングのプラスチック素材のレンズでは有害な紫外線UV)はほとんと除去されます。


UVと眼の機能

眼に入ってくる紫外線UV)には太陽放射のものと人工放射のものとの2種類が考えられます。日常生活では太陽放射由来のUV-AやUV-Bの強さおよび眼の被爆量は地域、気象条件、時間、行動形態によって顕著に変化するので、天空からのUV放射量のみでは眼部への影響は判断しにくいです。また、各自の生活環境において太陽放射以外に白熱電球、殺菌ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、電気溶接の光などの人工放射由来のUVの眼部に影響を及ぼすので人工光放射との遭遇頻度が大きな要因となります。
眼部に照射された紫外線UV)の大部分は角膜で吸収されますが、波長によって角膜の上皮層および実質層さらには水晶体に達する割合が異なります。特に、320~360nmのUVの1~2%が網膜に達するといわれますが、この通過過程において、UV-Bは水晶体で吸収されるので、硝子体そのものはあまり影響は受けません。水晶体の光透過性は年齢によって異なることが報告されています。


UVと皮膚機能―皮膚の光老化

長期間強い光曝露を繰り返し受けると、皮膚には弾力性のない黄色で深い皺がより、表皮は萎縮し、不規則な形のシミやイボが形成されてきます。この肉眼的変化は表皮の萎縮、表皮基底層における不規則な色素沈着、真皮上皮の結合織の変性が含まれますが、特に弾力繊維の変性が顕著です。光老化は加齢による皮膚老化とは質的に異なり、原癌遺伝子の発現における差が報告されています。長期の光曝露の結果として、角化細胞とメラニン細胞の異型性や腫瘍形成などが知られています。日光の長期曝露が関係している皮膚腫瘍として、良性腫瘍:老人性脂腺増大症、Favre-Racouchot症候群(老人性面疱)、播種状表在性日光性汗孔角化症、large cell acanthoma、扁平苔癬様角化症、老人性黒子、偽癌:ケラトアカントーマ、偽肉腫性皮膚腺維種、日光性細網症、表皮内癌:日光角化症、悪性黒子、浸潤癌:日光性有棘細胞癌(日光角化症癌)、基底細胞癌、悪性黒色癌(とくに悪性黒子黒色腫)です。


UVと皮膚機能―日焼け2

特殊な光回復酵素をもつアメリカンオポッサム(フクロネズミ)では、UV-B照射後すぐにUV-Aを照射しシンクロブタン型2量体を効率よく修復すると日焼けを生じますが、色素沈着においてもUV-AとUV-Bとの間には差が認められます。例えば、UV-Bでは遅発型黒化(delayed tanning,DT)が生じ、UV-Aでは即時黒化(immediate pigment darkening,IPD)が生じます。UV-AやUV-B照射で色素沈着の増加が生じる機構は色素細胞の数が増えると同時に色素細胞でのメラニン生成と酸化さらには基底細胞や角化細胞内のメラノソーム分布の変化が促進されると考えられていますが、その詳細な機構はまだ明らかではありません。UV-B照射で損傷を受けたDNAの損傷箇所は除去・修復されますが、この機能は大腸菌からヒトまでみられます。大腸菌と比較して、ヒトの染色体構造が複雑であるので修復機構の解明が遅れています。
除去・修復機構は①傷の認識、②傷の一方の端に酵素が切れ目を入れる、③他の一方で切れ目を入れ、約30個の塩基を切り出す、④DNAの修復合成、⑤連結の5段階から構成されています。
最近、DNAの修復に関係する遺伝子が明らかになってきているので、詳細な修復の分子機構が生化学的に今後解明されることでしょう。UV-A照射の場合にも、基本的にはUV-B照射と同様な修復の分子機構が機能すると考えられています。DNAの傷が100%正しく修復されるとUV照射による発癌はないですが、間違って修復されると突然変異や発癌に連動しやすくなります。
紫外線UV)曝露による生体内の蛋白質、脂質、核酸などの光酸化反応と交換化防止能とのバランスが崩れると皮膚は光酸化損害を受けます。この光酸化反応には高い反応性を持つ活性酸素が関係しています。活性酸素としてはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重功酸素などが含まれ、紫外線UV)曝露の状態によってはDNA損害や発癌作用を引き起こします。特に、UV-B照射によって産生されるヒドロキシラジカルによりDNAは切断されやすいのです。また、330nmより長波長のUV-AによるDNA1本鎖切断はカタラーゼの存在で顕著に抑制されるので、過酸化水素除去は重要です。


UVと皮膚機能―日焼け1

顔や頸部などの皮膚に強い紫外線UV)を照射されると、照射部位がいろいろの様式で赤くなります。この皮膚が赤くなる現象は日焼け(紅斑反応)ですがUVの皮膚浸透性と密接に関係します。紫外線UV)の皮膚浸透性はUV-AとUV-Bでは異なり、さらに生物効果も異なるのでUVに対する生理反応も異なってきます。例えば、UV-B照射では照射約8時間から紅斑が出現し始め、24時間後にピークに達するのに対し、UV-A紅斑は照射直後が最も強い反応で大量照射では24時間は反応が持続するといわれています。また、UV-AおよびUV-Bは紅斑反応に対して、相加的に作用するとの意見もあります。日焼け反応がDNA損傷によって始まることは色素性乾皮症患者でとくに観察されます。この色素性乾皮症患者では健常人の1/5~1/10の日光(UV)曝露で強い日焼けを生じ、さらに簡単に皮膚細胞のDNAにピリミジン2量体が形成されやすいのです。しかし、このピリミジン2量体を除去修復する酵素(エンドヌクアレーゼ)に欠損があるため、正常のDNA修復ができません。また、ヒト皮膚にUV-B照射で生じるDNA損傷の数に関して、MEDが24J/cm2と146J/cm2で約6倍の差がある2群の人に同量のUV-Bを照射し、総DNA損傷数を比較すると、おのおの11.5×10-4と2.6×10-4個のピリミジン2量体/1000DNA塩基/MJ/m2となり、明らかにMEDの低い人により多くの損傷が生じています。


UVと皮膚機能

太陽放射に曝露された皮膚では、時間の経過に伴っていろいろな単独反応やこれらが相互に関係した複雑な反応が数多く生じますが、UV-AやUV-Bに特異的な反応が明らかになりつつあります。急性病変しては、皮膚:紅斑、日焼け、火傷・水疱化、日光アレルギー、ビタミンDの生合成、眼:光角膜炎、光結膜炎。、疫系:ランゲルハンス細胞の消失、ウイルスの活性化、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、エイズウイルスです。慢性病変としては、皮膚:色素斑、色素性母斑、弾性腺維変性、日光角化症、基底細胞癌、目:翼状片、白内障(皮膚型・核型)、網膜剥離、ぶどう膜黒色腫、黄斑変性、免疫系:免疫能低下:いろいろな感染症にかかりやすくなる。


UVと皮膚機能

太陽放射に曝露された皮膚では、時間の経過に伴っていろいろな単独反応やこれらが相互に関係した複雑な反応が数多く生じますが、UV-AやUV-Bに特異的な反応が明らかになりつつあります。急性病変しては、皮膚:紅斑、日焼け、火傷・水疱化、日光アレルギー、ビタミンDの生合成、眼:光角膜炎、光結膜炎。、疫系:ランゲルハンス細胞の消失、ウイルスの活性化、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、エイズウイルスです。慢性病変としては、皮膚:色素斑、色素性母斑、弾性腺維変性、日光角化症、基底細胞癌、目:翼状片、白内障(皮膚型・核型)、網膜剥離、ぶどう膜黒色腫、黄斑変性、免疫系:免疫能低下:いろいろな感染症にかかりやすくなる。


UVと生体反応―生体に及ぼすUVの急性と慢性の影響

紫外線UV)の影響は照射時間の長さおよび生体組織の種類によって異なりますが、照射後数時間で出現し2~3時間で消える急性の影響と、1年以上の影響となる慢性の影響とに区別できます。皮膚の急性症状としては、日焼け、火傷、水泡化、日光への感受性が高い場合の光アレルギーがあります。急性症状は普通数日で治まりますが、長時間の反復照射によって、色素斑、色素性母斑、日光角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌や黒色腫などの慢性症状が生じます。目における急性症状は光角膜円や光結膜炎で、雪目がその典型的な例です。長期間のUVにさらされていることにより、水晶体の蛋白質が変性し、白内障になります。また、紫外線UV)の強い地域では瞳孔がびらんになったり、網膜剥離や網膜黄斑変性をもたらすこともあります。表皮内には、抗原情報をTリンパ球に伝える役目をするランゲルハンス細胞が散在していますが、免疫能の低下はこのランゲルハンス細胞が破壊されることにより生じます。ウイルス感染があると紫外線UV)がウイルスを活性化し、ウイルス産生を高めることも重症感染を生じる原因となります。このように、紫外線UV)はいろいろの生理機能に急性および慢性的で、さらに照射波長に特異的な影響を与えます。


UVと生体反応―UV-AおよびUV-B放射効果の生物学指標

UV-AおよびUV-B放射の生体に及ぼす効果はUV放射量の物理的な測定のみでは推定できないので、UV-Bに敏感に反応する生理形質に基づいて放射効果を推定することが重要です。UV-Aの放射量は地表での太陽UVの90%以上を占めますが、UV-Aの生物効果はUV-Bに比較して極めて小さいと従来考えられてきました。しかし、最近の遺伝子レベルでの研究からUV-Aの大きな生物効果が報告されてきています。UV-Bの評価法として皮膚に紅斑起こす量を基準にした最小紅斑量(Minimum Erythematous Dose,MED)があり、遮光剤のUV-B防御効果を評価する指標としてSPF(Sun Protection Factor)が認められています。UV-Aの生物効果に関する国際的な評価方法が長い間なかったのですが、1995年にPFA(Protection Factor of UV-A)が認められました。


UVと生体反応―UVの吸収

紫外線UV)の吸収は吸収帯の表面構造によって変動します。特に、牛、羊、馬や鶏などの家畜・家禽では体表面に多くの皮毛や羽毛があるので、人間や豚よりもUVの直接影響の程度が相対的に少なくなります。陸棲動物のうち、人間、豚および特異的に体毛が少ないヌードマウスなどの皮膚においてUVの効果が顕著に観察されやすいです。紫外線UV)の効果はUV透過の程度によって異なりますが、UV-Bは皮膚の基底膜、UV-Aは真皮まで透過します。この透過の過程において、紫外線UV)はいろいろな生体高分子と作用し多くの生理作用を引き起こします。特に、核内のDNAはその構成単位である塩基の構造による性質から紫外線UV)と作用しやすく、紫外線UV)エネルギーの吸収によって塩基の末端構造に損傷を受けたり、また細胞内では活性酸素が発生することにより過酸化物が産生され、多くの生体構成成分や生体膜構造などがいろいろの障害を受けます。これらの障害を取り除く機構が働くと細胞は生き残り、細胞の障害が大きいと細胞は死にます。細胞や組織などの障害が生じると、動物個体では細胞や組織の再生をめざした生体修復機構が働くようになります。


陸棲動物の生理機能に及ぼす影響

紫外線UV)の影響は波長によって異なるので、UV-A(315~400nm)、UV-B(280~315nm)、UV-C(100~280nm)に区別して述べられることが多いですが、実際の陸棲動物が生活を営んでいる地球上の環境では、オゾンの存在によってUV-Cの影響はあまり考えられず、UV-AとUV-Bの影響が主な要因となります。UV-AとUV-Bの作用には殺菌・消毒やビタミンD合成とカルシウム代謝の促進など動物にとって有効な生理作用を示すこともありますが、動物の種類に関係なく皮膚癌、白内障、免疫能低下のように悪影響をもたらすことも多くあります。


UVの動物(人間を含む陸棲動物)への影響

地球上の生物の歴史は太陽からの光放射の影響を密接に受けながら進行しています。特に、陸棲動物は、水棲動物と比較して水層に匹敵するフィルターをもたないので、太陽からの光放射の影響を直接的に受けやすい存在です。光放射のうち、紫外線UV)は遺伝情報物質DNAやRNAの構造や機能にいろいろの影響を及ぼすので、人間を含んだ陸棲動物の生理機能および生態系形成にとって重要な構成要因といえます。また、最近は人間社会における活発な経済活動の結果として、地球を取り巻く成層圏のオゾン層の厚さが減少しているとの報告がかなり出されているので、紫外線UV)の影響はいろいろな陸棲動物の単なる生理・生態に関する問題のみならず、動物、植物、微生物など生物種全体の生存そのものに影響する重要な社会的な問題になってきています。


植物の着色に及ぼす影響―UV照射による着色促進効果3

UV-Bと赤色光の相乗効果については、モロコシ、サトウモロコシ、ナスやイチゴ、バラ(品種:絵日傘)を用いた研究などでも認められています。この効果は、UV-Bは未同定の光受容体に、赤色光はフィトクロームに作用することが推定されています。また、実用化を目的とした圃場での補光による着色促進が、紫外線UV)を多く含む複写用蛍光ランプや3波長域発光型蛍光ランプを用いたイチジクや高演色形メタルハライドランプを用いたオウトウ、モモ、ブラックライト蛍光ランプを用いたシクラメン(品種:ピアス)において報告されています。また、被覆資材とナスの着色促進についても多く報告があります。アントシアニン生成には、光放射以外に温度、土壌あるいは培地の条件(窒素、糖濃度、pHなど)などの環境条件、ならびに同一種の植物でも品種によって異なるといわれています。


植物の着色に及ぼす影響―UV照射による着色促進効果2

紫外線UV)の存在がアントシアニン生成に重要であることは、古くから知られていましたが、UVの有効波長域は研究者によって異なっていました。リンゴを使って、紫外線UV)の有効波長域を再検討し、紫外線UV)と可視放射の効果の比較および相互作用の有無について検討した結果、アントシアニン生成は、白色光(可視放射:キセノンランプ)の光強度に比例して直線的に増加しますが、その量は比較的少なく、さらに高強度では生成が飽和することが明らかになりました。また、紫外線UV)(290~320nm)単独光では、相対的に白色光の効果より大きく、さらに白色光と単独光を同時に照射した場合、アントシアニンの生成は、相乗的に増加すること、この相乗効果は、紫外線UV)の中でもUV-B(280~320nm)と赤色光の組み合わせだけに現れることも報告されています。このリンゴの果皮の場合、UV-BはUV-B受容色素に、赤色光は光合成に作用していると考えられています。リンゴの果皮における光放射とアントシアニンの生成は、品種によって非常に異なることから、リンゴ数品種の着色特性について検討をしたところ、着色良好な“スターキング・デリシャス”などは、UV-Bを含む光放射ではもちろんのこと、白色光だけでもかなりのアントシアニンを生成しますが、“ふじ”は、特に白色光でのアントシアニン生成量が著しく少ないこともわかりました。黄色系品種である“陸奥”は、白色光ではアントシアニンを全く生成せず、UV-Bを含む光放射でもアントシアニンの生成量はわずかでした。


植物の着色に及ぼす影響―UV照射による着色促進効果1

アントシアニン生成に関与する光受容体は、可視放射の範囲では、リンゴ果皮やカブのアントシアニン生成の作用スペクトルからフィトクローム(色素蛋白質)と考えられていました。しかし、赤キャベツは700nm付近に吸収のピークがくることから、別の受容体も考えられます。アントシアニン生成について紫外線UV)の波長域までみると、UV-B光受容体が考えられます。この光受容体の化学構造などは確定していませんが、いくつかの実験結果から、290nm付近に極大吸収をもち、吸収帯が350nm付近まで広がっていることが確認されています。この300nm付近に強い吸収帯をもつアントシアニンやそのほかのフラボノイドは、主として植物の表皮で合成され、配糖体の形で表皮細胞の液胞に多様に蓄積されるといわれています。さらに、290nmと赤色光を組み合わせた場合、相乗効果が認められています。


植物の着色に及ぼす影響―フラボノイド化合物の生合成

フラボノイドは、化学構造が2-phenylalanine(flavone)核を基礎とする物質の総称で、アントシアニン、オーロン、カルコン、フラボン・フラボノールなどの色素を含んでいます。このフラボノールは、次の過程で生合成されるといわれています。アミノ酸フェニールアラニンは、フェニールアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)によって桂皮酸になり、水酸基がついて4-クマール酸となります。この4-クマール酸は、CoAと結合して4-Coumaronyl-CoAとなり、さらに3-Malonyl-CoAと化合して、Chalcone,Flavaoneを経てFlavonoids(Anthocyanidin,Flavone(R=H),Fiavonol(R=OH)となります。すなわち、①L-Phenylalanine→→→4-Coumaronyl-CoA②4-Coumaronyl-CoA+3-Malonyl-CoA→Chalcone→Flavaone→Flavonoids(Anthocyanidin,Flavone(R=H),Fiavonol(R=OH)など。
フラボノイドの生合成が光放射によって誘導される系についてみてみると、次の過程が考えられます。「光放射→遺伝子転写→mRNA→酵素→色素合成」です。すなわち、紫外線UV)や赤色光がそれぞれの光受容体によって吸収され、未解明の細胞内信号が核のDNAに作用してmRNAを生成し、これが細胞質にあるリゾホームに作用してPALやChalcone synthaseなどの酵素の合成を誘導します。


陸上植物へのUV-B放射の増加が与える影響

瞬間差:影響は大きい。感受性は単子植物より双子植物のほうが大きい。
品種間差:影響は大きい。
光合成:多くの植物で低下する。(特に弱光条件で)
葉面拡散コンダクタンス:多くの植物で低下する。(特に弱光条件で)
水分利用効率:ほとんどの植物で低下する。
葉面積:多くの植物で減少する。
比葉重(葉の厚さ):多くの植物で増加する。(葉が厚くなる)
作物の栽培期間:影響はなし。
開花:抑制および促進する。(植物による)
乾物成長と収量:多くの植物で減少する。
伸長成長:抑制される。(草丈が短くなる)
クロロフィル:増加する。
葉面ワックス:増加する。量および組織が変化する。(葉面の濡れやすさが変化する)


植物の生育に及ぼす影響―UVによる影響と効果

植物の生育とUV-B照射との関係について、UV除去によるニンジン、トマトおよびキュウリ、カブの生育促進が報告されています。また、キュウリ、インゲンマメ、ハツカダイコンを用いた研究では、キュウリは感受性の高い植物として、インゲンマメは中程度、ハツカダイコンは耐性があると報告されています。さらに、UV-B照射により植物が受ける影響の程度は、植物の生育ステージおよび400~700nmの光合成有効放射の強弱にも関係しているとの報告もあります。たとえば、ダイズを用いた研究では、UV-B照射を行った場合、光合成有効放射が強い時、光合成速度や成長に影響は認められなかったが、光合成有効放射が弱い時には、光合成速度や成長が低下しました。この結果から、光合成有効放射には、UV-B照射による障害保護効果があると報告されています。また、このUV-B照射に対する障害保護効果はUV-Aにもあると報告されています。光合成有効放射とUV-Aによる障害保護効果は、植物の持つ適応化反応と光による障害修復反応によると考えられています。太陽放射を利用して、野外に設営したUV透過ビニールハウスとUV不透過ビニールハウス下でトマト、ハツカダイコン、ナス、ピーマン、などの野菜類および花卉のニチニチソウを栽培し、生育状況と生理反応の変動を調べたところ、太陽からのUV(400~290nm)は、植物の成長にとって必要かつ重要な光放射の要因であるとの報告もあります。これらの報告のほかに、ホウレンソウのβカロチン含有量、ダイコンやサラダ・キャベツのビタミンC含有量がUV照射によって増加しという報告もあります。以上の報告から、生育や含有成分に対するUVの照射効果については、光放射以外の温度、土壌、季節などの環境条件、ならびに植物の種類の違い、あるいは同一種の植物でも品種や生育ステージなどによっても異なるといわれています。


植物の生育に及ぼす影響―UV-Bによる影響

成層圏オゾン層が破壊されると、UV-Bが増加するといわれています。中緯度地域では、成層圏オゾン層が1%破壊されると、UV-B放射量は約2%増加すると推定されています。UV-Bの増加は、生物に障害を与え、農作物の生産量を減少させたり、生態系に撹乱を与えるのではないかと懸念されています。もし、UV-B増加により農作物の生育や収量が低下すれば、人間の生活の基盤である食糧需給に大きな影響を与えることになります。これまでに300以上の植物種・品種の生育と収量に及ぼすUV-Bの影響が調べられています。UV-B照射により植物の成長や収量が低下する(感受性)、UV-B照射により植物の西洋や収量に変化がない(耐性)、あるいはかえって成長や収量が増加する(刺激性)など植物のUV-Bに対する反応には、さまざまな反応があることが指摘されています。


UVの生物の生理・生態への影響―植物

光放射は、植物の光合成、光形態形成、光周性、概日リズム、屈光性、傾向性、など多くの反応にかかわっています。光放射に対する植物反応の作用スペクトルは、それぞれの反応によって異なってきます。これまでの、光放射による反応に対する波長域は、可視放射が主でした。しかし、近年地球環境問題の中で、成層圏オゾン層の破壊が懸念されていて、その影響により地上でのUV放射量の増加が予測されます。植物は、太陽放射を利用して光合成を行うとともに、形態形成など微妙な調節を行っています。そのため、わずかな光放射条件の変化にも敏感に反応します。オゾン層破壊によ紫外線UV)の増加が植物の成長や形態形成などに悪影響を与えるならば、農作物生産に大きな打撃を与えるだけでなく、森林などへの影響を通して自然環境にも重大な影響を与える可能性があります。逆に、紫外線UV)の増加が植物の成長や形態形成に良い効果をもたらすならば、農作物生産に利用できる可能性も生まれてきます。このような観点から、多くの植物種のUVに対する反応に関する研究が進められてきました。
UV-A、UV-B、UV-Cの植物に対する作用は、次のように区分されています。UV-A:UVのうち有害作用が少ない。UV-B:植物に対して特異的であるが、必ずしも有害でない効果を誘導する。UV-C:生物にとって極めて有害であるが、太陽放射の自然条件下では関係ない。(大気圏外における太陽UVは、250nm以下でも高い放射照度を示しますが、大気のオゾン層によってUV-Cは完全に吸収され、地上に到達するのは295nm以上の紫外線UV)です。)


UVの生物の生理・生態への影響

近年、地球環境問題の中で、成層圏のオゾン層の破壊との関係から紫外線UV)の生物への影響が懸念されています。UVは、UV-A(315~380nm)、UV-B(280~315nm)、UV-C(100~280nm)に分類されています。大気圏外における太陽UVは、250nm以下でも高い放射照度を示しますが、大気のオゾン層によってUV-Cは完全に吸収され、地上に到達するのは295nm以上のUVです。これまでのUVと生物に関する報告は、人間に対しては、UV-Bによる皮膚の日焼け、皮膚癌など、ウイルスやバクテリアなどに対しては、UV-Cによる成育阻害、死滅など、植物に対しては、UV-BやUV-Cによる形態の異常、生理反応の抑制など、マイナスの影響に関するものが多くあります。しかし、植物とのかかわりについてみてみると、UV除去のフィルムの使用によりナスの着色が不良になるなどUVの効果も認められています。また、ミツバチのように紫外線UV)を色覚としてとらえることができる昆虫は、人類が感じとることのできないUVを鮮やかに感じとる能力をもち、花がUVを吸収したり反射したりすることに反応して花に飛んで行き、結果的には、昆虫たちは花粉を運び、かわりに蜜と花粉を食べることができます。いわゆるギブアンドテイクの関係にあることも明らかになっています。


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