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紫外線・UV対策、していますか?

地球上の生命に恵みをもたらす太陽の光・・しかし、その中には、浴び過ぎると人体に悪影響を及ぼす紫外線UV)も含まれています。
骨の発育を助けてくれる紫外線UV)ですが、最近ではその害についての関心も高まりつつあります。『 UVカット紫外線ケア対策 』では、紫外線から受ける影響とその予防対策について、実際に効果のあるスキンケアグッズの紹介をしています。

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紫外線UVと地球環境


UVと地球環境(まとめ)

成層圏オゾンの破壊は、フロンなどの地球上では極めて安定な物質が、成層圏で紫外線UV)によって分解され、触媒物質として連鎖反応的にオゾンを破壊することによって引き起こされています。このため、従来型のフロンなどの使用禁止を求めた国際条約が終結され、代替フロンの開発や回収・分解技術の開発などが進められています。しかし、今までに大気に放出されたフロンなどによるオゾン層の破壊や代替フロンによる新たな破壊の問題が生じています。さらに、自然起源や農業などに関係するメタンや亜流化窒素などによってもオゾン層が破壊されるなど、オゾン層の破壊に関与する反応は多く、そのメカニズムは十分には明らかにされていません。オゾン層の破壊によって地上への紫外線UV)放射量の増加が懸念されていますが、各々の地域での実際にどれくらいUV放射量が増加するかについても必ずしも明らかではありません。また、UV増加による人間の健康や森林などの生態系、農作物の収量への影響などについても解明されていないことが多く、今後さらに研究を行っていく必要があります。


UVに対する防御機能―光修復酵素

多くの生物では光産物はUV-Aまたは青色光に依存した光修復(人では存在するかどうか議論がありますが)によって修復されます。この光修復活性が紫外線UV)に対する防御上極めて重要であることは、光修復の欠損変異をもつ生物がことごとく紫外線UV)に対して感受性になることで明らかにされています。この修復反応は光修復酵素によって行われていて、CPDに特異的な酵素(CPDPL)と6,4PPに特異的な酵素(6,4PL)の2種類が知られていますが、DEWを修復する光修復酵素が存在するかどうかは不明です。CPDPLについてはバクテリアから高等植物までの広い範囲で存在が確認されていて、動物やバクテリアでは遺伝子も単離され酵素蛋白質の性質が詳しく解析されています。この酵素は385nm付近の光を吸収して活性を示すものと、445nm付近の光を吸収して活性を示すものの2種類が知られています。この違いは酵素蛋白質に結合している光受容色素の違いに由来します。植物におけるCPD光修復の作用スペクトルは350~450nmにわたる広いピークをもつことから2種類の酵素の存在を想像させます。実際植物ではCPDPLと推定アミノ酸配列で相同性のある2種類のcDNAがシロイヌナズナやマスタードの緑葉から単離されていますが、こてにコードされている蛋白質が本当にCPDPL活性をもつかどうかは不明です。UV-Bは葉緑体やミトコンドリアなどのオルガネラには光修復されていない可能性が指摘されています。しかし、葉緑体DNAの塩基配列は極めて保存性が高いので何らかの修復機構が働いていると思われ今後の研究の進展が期待されています。
6,4PLについてはこれまでにその実体が不明でしたが、最近キイロショウジョウバエ由来の同酵素をコードしているcDNAが単離され、そのアミノ酸配列が明らかとなっています。この酵素の推定分子量は62.9kDaでFADを光受容色素としてもつことが示されています。植物にも6.4PLの活性が存在することが示されています。単色光を使った活性測定の実験などから、植物の6.4PLは酵素としての性質はショウジョウバエで研究されているものとよく似ていることが示されていて今後の研究の進展が期待されています。


UVに対する防御機能―遺伝子の修復

遺伝子を修復する防御機能については、主に大腸菌を用いて調べられていますが、高等植物や動物にも存在する普遍的な機能です。UV-BをDNAに照射すると光反応でDNAの立体構造が変化して遺伝子としての機能が損なわれます。そのうち最も多く起こる反応は隣合ったピリミジン塩基どうしが2量体を形成する反応です。生成する光産物としては隣合った塩基の2ヶ所が共有結合して生じるシクロプタン型(CPD)が最も多く約90%で、ついでチミンの6位とシトシン4位が共有結合した(6-4)光産物(6,4PP)が約10%程度です。(6-4)光産物は315nm付近の光を受けると異性化しデュワー産物(DEW)へ変化することが知られています。DNA上にこれらの損傷物質が存在すると複製の際に塩基の置換などの誤りなどが起こり遺伝情報に変異が生じます。このような遺伝情報の変異が発癌遺伝子の特定の場所に起こることが、紫外線UV)による皮膚癌発症の引き金となることが明らかにされています。


UVに対する防御機能

生物は紫外線UV)を表皮組織で吸収し、その下の組織に到達する量を減少させるような仕組みや損傷をうけた遺伝子を修復するような防御機能を備えています。これらの防御機能は、生物種の違いによって異なり、環境によって変化します。例えば人間の皮膚にはメラニン色素が存在し、紫外線UV)を吸収しています。メラニン色素が多い黒人は皮膚癌にかかりにくく、メラニン色素の少ない白人は皮膚癌にかかかりやすいといわれています。植物は表皮にフラボノイドを多量に含んでいて、フラボノイドがUVを吸収して、葉肉細胞におけるDNAや光合成などの主要な機能を保護しています。メラニン色素やフラボノイドは紫外線UV)によって生成が促進されるので、UVに対する防御に重要な役割を果たすことになります。


UVの植物への影響5

表皮細胞を透過したUV-Bは葉肉細胞にいたって動物細胞と同様に活性酸素を生成すると考えられていますが、直接的な証拠はありません。活性酸素で誘導される酵素や蛋白質がUV-Bで誘導されるという報告もあり、可能性はかなり高いと思われますがまだ不明な点が多くあります。UV-Bは最終的には核・葉緑体・ミトコンドリアに到達し、そこに存在するDNAに直接損傷を与えることは知られています。UV-Bは熱ショック蛋白質やPR蛋白質と呼ばれる一群のストレス蛋白質の遺伝子の発現を促進することが示されています。PR蛋白質とは植物細胞にカビ・バクテリア・ウイルスが感染したときに誘導される時の蛋白質で、感染に対する防御反応に関係すると考えられています。UV-Bによってこれらの蛋白質の発現が促進されることの生理学的な意味は明らかではありませんが、UV-Bによる刺激の伝達機能のうち少なくとも一部は植物の感染症と同じ経路を経ていると考えられます。


UVの植物への影響4

クチクラ層を透過したUV-Bは表面細胞に作用してフラボノイド系色素の合成を促進することが知られています。UV-Bによるフラボノイド合成の促進反応は、UV-Bの植物に対する影響の中で最も研究が進んでいて、UV-Bによってどんな遺伝子が活性化されるのかも明らかにされています。フラボノイドはフェニルアラニンを前駆体として合成されることがわかっていて、合成される経路のうちPAL,4CL,CHSをコードとする遺伝子の発現がUV-Bで活性化されることが明らかとなっています。また、ACCaseについても、その酵素蛋白質の量がUV-Bで速やかに増加することが示されています。フラボノイドはUV-B領域に吸収を持つものが多く、これらが紫外線UV)に対する防御物質であることが、シロイヌナズナの突然変異体の解析から明らかになっています。例えば、4CLまたはCHSの活性を失っている突然変異体はフラボノイドの合成が低下していて、UV-Bに対して感受性になっていることが示されています。


UVの植物への影響3

紫外線UV)による植物への影響は、その生育環境や種の違いによって大きく異なってきます。例えば、栄養条件が悪いとき、水欠乏のとき、気温が高いときなどはUV-Bに対する感受性が低下します。また、可視放射が不足するときなどは、UV-Bの影響が増大します。植物へのUV-Aの影響は人間の場合と異なって小さく、UV-Aの存在が成長を促進することがわかっています。野外でUV照射した試験により、UV-Bによって成長や収穫高が減少する種がわかりました。マメ科、ウリ科、アブラナ科の植物がUV-Bに対して弱く、イネ科においては現在の照射量の1.7倍程度のUV-B照射で収穫高が2%減少することがわかっています。成長阻害や収穫高の減少以外にUV-Bの影響としてよくみられるのは、UV-Bに対する抵抗性反応の結果として起こる変化です。植物の葉にUV-Bを照射すると一部は表面のクチクラワックスで反射されます。種によってはUV-B照射によってワックスの増加が起こりますが反射率との相関性はなく、その生理的意味についてはよくわかっていません。


UVの植物への影響2

光合成機能の阻害以外にも紫外線UV)の影響として、DNA損傷、葉の色素の生成阻害、光合成産物の器官分配比の変化と各器官の成長阻害、そのほか、生体における多くの酵素反応や生体物質の変化が報告されています。一般に、紫外線UV)による生物への影響の程度は、対象とする反応によって異なり、また、UVの波長やその強度によって変化します。実際に、DNA損傷や光合成のHill反応阻害、成長阻害などの作用スペクトルをみてみると、どれも短い波長ほど影響が大きくなりますが、DNA損傷や成長阻害では、特に320nm以下の波長で急激にその強度が増大することがわかります。なお、Hill反応とは、光合成の初期反応、、すなわち光化学反応と電子伝達系を表わす反応のことです。光によって引き起こされる現象の作用スペクトルの違いは、光受容体とその作用の仕組みが異なるためといえます。植物の成長阻害の作用スペクトルが光合成Hill反応よりもDNA損傷の作用スペクトルに比較的欲一致していることは、成長阻害がHill反応よりもDNA損傷と深くかかわっていると考えられます。このように、各々の反応の作用スペクトルを調べることにより、生体へのUV影響のメカニズムを明らかにできます。


UVの植物への影響1

紫外線UV)は、植物にもさまざまな影響を与えています。例えば、多くの植物でUV-Bによって光合成速度が低下することが知られています。光合成機能を非破壊で診断する方法として、クロロフィルa蛍光の誘導期現象を画像解析する方法があります。中心波長が300nmで、半値幅が10nmの干渉フィルタを通して照射したUV-B(強度=0.07mW・cm-2、照射時間=3時間)による光合成機能への影響をクロロフィルa蛍光の誘導期現象を画像解析する方法によって診断した例をみてみます。診断された蛍光画像は、蛍光誘導期において最も傾向強度が強くなった時点での画像で、蛍光強度が強いほど光合成の活力度が高いことを示しています。照射終了直後に、照射部分(円形)に蛍光強度の低下が認められますが、蛍光誘導期現象をみてみると、この蛍光強度の低下は電子伝達系、特に光化学系Ⅱへの影響を示唆しています。なお、照射終了後6時間経過した時点では、蛍光強度が回復していて、軽度のUV-Bによる光合成に対する作用は、可逆的な障害であることがわかります。光合成への影響については、電子伝達系への影響以外にも炭素固定系の酵素活性への影響や葉緑体の膜構造の損傷などがあります。


UVの人間への影響―色素沈着と白内障

UV-Bは皮膚に色素に沈着をもたらすことは日焼けでみられるように極めて身近な現象です。日焼けによって沈着する色素の主成分はメラニンで表皮のメラノサイトに蓄積しています。UV-Bにより色素が沈着するメカニズムについては、メラノサイトの数が増加することや、メラニンの合成が上昇するなどの説がありますが詳しい点は不明です。UV-B増加の最も深刻な影響の一つとして白内障の発症率の上昇があります。これは疫学的な研究から予想されているもので、白内障はUV-Bの照射量の多い地域で有所見率が高いことが明らかになっています。また、日本国内においてもUV-B照射量の多い沖縄と照射量の少ない札幌を比較した研究例があります。研究例によると白内障のうち核混濁型の有所見率が沖縄のほうが高いことが示されています。


UVの人間への影響―免疫反応

UV-Bは照射面における免疫反応を抑制することが知られています。よく研究されている例としてランゲルハンス細胞の不活性化があります。ランゲルハンス細胞と経皮的に進入してきた異物を捕食し、捕食した異物の一部を抗原として細胞表面に提示し、免疫反応の引き金を引く重要な役割をもっている細胞です。表皮にUV-Bが照射されるとランゲルハンス細胞の抗原提示能力が低下して、一種の免疫寛容状態になることが知られています。また、角化細胞は免疫反応においてサイトカイン(リンパ球増殖因子の一種)を産生する役割をもっていますが、UV-Bがサイトカインの産生を促進するという報告もあります。


UVの人間への影響―活性酸素

UV-Bは生体内で補酵素や色素に吸収されてそれらを励起状態にし、励起エネルギーは最終的に水分子に伝達され活性酸素が生成することが知られています。実験系での研究からUV-Bによって生成した活性酸素はDNAに損傷を与えたり、転写因子の一種であるAP-1を活性化する可能性が示されています。また、色素性乾皮症の患者はUVにより高い頻度で皮膚癌が発症しますが、同様な変異をもつピビット症候群では皮膚癌の発生頻度は低いこと、色素性乾皮症の患者では活性酸素を消去する酵素の一つであるカタラーゼの活性が低下していることなどから、紫外線UV)によって生成した活性酸素が皮膚癌の発症に深くかかわっている可能性が指摘されています。


UVの人間への影響―UV-BによるDNA損傷

皮膚は、外側から角質層、将来角質になる角化細胞、メラニン色素を作るメラノサイト、免疫反応に関係するランゲルハンス細胞および基底層からなっていて、さらにその下に毛細血管や免疫担当細胞などを含む真皮があります。UV-Bは基底層まで、UV-Aは真皮まで到達することがわかっています。UV-Bは細胞核まで到達すると遺伝子の本体であるDNAに吸収されてその構造を改変し損傷を与えます。通常、損傷を受けたDNAは修復酵素群によって速やかに修復されます。人間の皮膚にUV-Bを照射すると数時間以内に炎症があらわれます。色素性乾皮症という先天的にDNA損傷の修復活性が低下している遺伝子病が知られていますが、この患者では、健常者が炎症を起こす照射量の1/5~1/10というごくわずかの紫外線UV)照射で著しい皮膚の炎症が引き起こされます。また、動物実験においてDNA損傷の修復を促進すると炎症が抑制されることから、炎症反応はUV-BによるDNA損傷が引き金になっている可能性が高いことが示されています。


UVの人間への影響―癌

紫外線UV)の人の健康への中で最も重要視されているのが、皮膚癌の増加です。皮膚癌にはさまざまな種類があって、最も普通にみられるのは基底細胞癌、角化細胞癌、悪性黒色腫です。紫外線UV)との関係が明らかなのは基底細胞癌と角化細胞癌です。紫外線UV)の影響は蓄積的な作用で、照射された総量に依存するので皮膚癌は高齢化に伴う積算照射量の増加に伴って増加すると考えられています。作用スペクトルの研究などから、UV-Bによる皮膚癌の増加は、主に遺伝子の損傷によるものと考えられ、オゾンの1%減少により基底細胞癌と角化細胞癌の合計が3%増加すると試算されています。また、UV-Aにも皮膚癌を増加する作用がありますが、UV-Aにより誘発される皮膚癌は、DNA損傷よりも体内の活性化酸素の消去に関係している酵素などの阻害によって引き起こされるものと考えられています。


UVの増加に伴う生物への影響

紫外線UV)は、人間や動植物にさまざまな影響をもたらします。よく知られているのは、太陽光に含まれる紫外線UV)による日焼けです。皮膚に適度なUV-AやUV-CなどのUVを浴びると軽い炎症とともにメラニン色素の合成が引き起こされ日焼けの状態になります。適度な日焼けは健康の象徴で、皮膚がUVに対して抵抗性をもつようになります。しかし、過度のUVを浴びると皮膚が炎症を起こし、ひどい場合には組織が壊死してしまいます。特に、オゾン層の破壊によって端波長のUV-Bが増加すると、デオキシリボ核酸(DNA)、すなわち遺伝子が損傷を受けて皮膚癌が増加します。一方で、植物でも適度な紫外線UV)ではフラボノイドなどの色素が合成され、紫外線UV)に対して抵抗性をもつようになりますが、過度の紫外線UV)によって、DNAの損傷のほか、光合成や成長の阻害が発生します。生物の基本的な機能を支えているDNAなどの遺伝物質やタンパク質、アミノ酸、ホルモンのほか、酸化還元物質であるNAD,NADPなど多くの生体物質が300nm以下の波長の紫外線UV)に吸収体をもつことから、UVは生体物質への直接作用、あるいは二次的に生成した有毒物質によって、その影響を発生させるものと考えられています。


オゾンの破壊

オゾン層の破壊に関係する大気微量物質には、フロン、ハロン、臭化メチルなどの人為的な化学物質のほかに、メタンや亜硫化窒素など、自然起源や農業などに関係する物質もあるのです。これらの物質は通常、化学的には反応せず、成層圏へ転送されます。成層圏では、紫外線UV)による分解や酸素原子との反応などにより、オゾンを消失させるClやNO,OHなどの触媒物質が生成し、オゾン層の破壊が促進されます。実際に、ドブソン分光光度計やオゾンレーザーレーダーなどを用いた地上からの観測や気球、航空機、人工衛星からの観測によって、1980年以降、成層圏のオゾン量の全地球的な減少傾向が認められています。また、オゾンの減少量は一般に高緯度ほど大きく、南極ではオゾン濃度が極端に低いオゾンホールが観測され、年や季節による変動はありますが、徐々に減少量の拡大傾向を示しています。
オゾンには、200~300nmの波長域にハートレー帯と呼ばれる強い吸収帯が、300~400nmにハギンズ帯と呼ばれる弱い吸収帯が存在し、酸素の吸収帯とあわせて有害な紫外線UV)を吸収しています。紫外線UV)は、波長によりUV-A(315~400nm)、UB-B(280~315nm)、UV-C(<280nm)に分けられていますが、成層圏オゾン層の破壊は、UV-Bの波長のUVの増加をもたらします。つくば市(北緯36度:夏至で快晴の日の正午)での成層圏のオゾン量の低下が地上におけるUVスペクトルへ及ぼす影響を計算したものをみてみると、UV-Aはオゾン濃度が減少してもほとんど変化しませんが、315nm以下のUV-Bは、オゾン濃度の減少に伴ってUV量が増加するという結果が出ています。さらに、オゾン濃度の減少に伴ってスペクトルが短波長側にシフトし、生物への影響が大きくより短波長のUV-Bが著しく増加しています。280nm以下のUV-Cの波長のUVは、オゾン層の減少に関係なく極めてわずかです。


オゾン層の破壊とUVの増加

太陽は6000Kの黒体に近似した分光分布をもつ電磁波を放射していて、その中には生物の活動に必要な可視放射だけではなく、熱作用が著しい赤外放射や生物にとって有害な紫外線UV)も含まれています。太陽から放射された電磁波は、地球の表面に到達するまでに、大気による散乱や成層圏のオゾン、対流圏の水蒸気、二酸化炭素などに吸収されて減衰し、実際に地上に到達するのはおよそ300~3000nmの波長の電磁波です。そして有害なUVの吸収に重要な役割を果たすのが成層圏のオゾン層なのです。
成層圏(地上約10~15km)では、対流圏から供給された空気の酸素分子が240nmより短いシューマン・ルンゲ帯と呼ばれる吸収帯の波長の太陽放射を吸収することにより光解離し、酸素原子となります。そして、解離した酸素原子と大気中の酸素分子が再結合することによってオゾン層が生成されます。一方で、光解離した酸素原子とオゾンが反応して再び酸素原子が生成されますが、実質的には、生成した酸素原子は光解離した酸素原子と速やかに反応してオゾンに変わります。このオゾンの生成と消滅のモデルは、大気中(窒素+酸素)で、反応物質として酸素化学種のみを考えることから純酸素モデルと呼ばれますが、実際の成層圏では、酸素原子以外の原子や、ラジカルと呼ばれる反応性の高い物質が微量ではありますが存在し、オゾンの分解過程において触媒的に作用し、連鎖反応で大量のオゾンを破壊します。その代表的なものとしては、H,OH,NO,Clなどが知られていて、オゾン層の破壊に重要な役割を果たしています。
成層圏のオゾン濃度は、オゾンの生成と消滅のバランスによってその濃度が決定されますが、成層圏内の高度25km付近に極大があり、対流圏の濃度よりも高いのです。この濃度の高い成層圏下層部はオゾン層と呼ばれていて、地上の全オゾン量の80%を占めています。成層圏内での高度に対するオゾン濃度分布を純酸素モデルを用いて計算すると、その濃度分布のパターンは比較的一致しますが、実際に測定される濃度は計算結果に比べて約半分の値を示します。この差は酸素原子以外の物質の触媒効果によるオゾンの消滅で引き起こされています。地表面のオゾン濃度が高くなっているのは、自動車の排気ガスなどから光化学反応により発生したオゾンによるものです。


UVと地球環境

成層圏のオゾン層には、人間や動植物に皮膚癌や遺伝子の損傷、成育障害などを引き起こす太陽からの有害な紫外線UV)を吸収する役割があります。しかし、近年このオゾン層が、冷凍機の冷媒やエアースプレーの噴射剤などに広く使われている各種フロンや消化剤として使われているハロン類などによって破壊されることが、地球環境問題の一つとして注目されている。この対策のために、1985年に国際共同研究や各国での対策の実施を内容とした、“オゾン層保護に関するウィーン条約”が制定され、そのわずか2年後には、具体的規制を盛り込んだ“オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書”が採択されました。1992年に、コペンハーゲンで開かれたモントリオール議定書の改定会議では、従来型のフロン(クロロフルオロカーボン、略称CFC)やハロンの全廃を2000年から、それぞれ1996年と1994年に早める議決が行われ、代替フロンや農薬として用いられている臭化メチルなどにも規制が加えられることになり、1995年のウィーンでの会議で、既存機器への補充用を除くHCFCを2020年に、必要不可欠な農薬用途を除いて、臭化メチルを2010年に全廃することになりました。


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